
計算問題は得意なのに、文章題になると途端に手が止まってしまう…
ASD傾向の子が算数の文章題でつまずくのは、情景の想像や曖昧な表現の理解が苦手だからです。克服にはイメージに頼る教え方をやめ、言葉を「+」「-」等の記号へ機械的に置き換える「翻訳ルール」の活用が有効です。問題文のキーワードにマーカーを引き、対応する記号を書き込んで立式する「翻訳トレーニング」を行うことで、文章題を得意な論理的パズルへと変換できます。
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情景ではなくルールで処理: 曖昧な情景イメージに頼らず、「あわせて=+」「残りは=-」といった明確な翻訳ルール(辞書)を作る。
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マーカーと記号化の3ステップ: キーワード抽出、記号への変換、数字との組み合わせという明確な手順で機械的に立式させる。
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得意な論理的パズルに変換: 行間を読ませるのではなく、記号化によるルールを渡すことで、苦手な文章題を安心して解ける作業に変える。
算数の文章題に対して、こうした壁を感じているお子さんは少なくありません。特にASD(自閉スペクトラム症)の特性を持つお子さんは、言葉を「字面通り」に捉える傾向が強いため、文章題に含まれる微妙なニュアンスや情景を想像して立式することが苦手な場合があります。
しかし、これは「算数の能力がない」からではありません。単に「文章という曖昧なデータを、数式というプログラミング言語に変換するルール」を知らないだけなのです。
今回は、曖昧な言葉を「+」や「-」の記号へ機械的に置き換える「翻訳家トレーニング」のアプローチをご紹介します。
なぜASD傾向の子は文章題でつまずくのか?
一般的な文章題の教え方は「場面を頭の中で思い浮かべてみよう」「りんごが増えたか減ったか考えてごらん」というように、イメージや行間に頼るアプローチが主流です。
ですが、文脈を読むのが苦手なASD脳にとって、「情景をイメージする」というのは非常にハードルが高い作業です。
- 「残りはいくつか」 = 実際に目の前から消えていく映像が浮かばないとピンとこない
- 「どちらが何個多いか」 = 「多い」という言葉につられて、足し算(+)だと誤解してしまう
このように言葉のニュアンスに振り回されてしまうからこそ、イメージに頼るのをやめ、プログラミングのように「完全なルール化」をしてあげることが解決の鍵になります。
曖昧な言葉を記号に変える「翻訳辞書」を作ろう
文章題を解く第一歩として、まずは「この言葉が来たら、この記号に変換する」という直球のルール(翻訳辞書)を一緒に作りましょう。
【我が家の「算数・翻訳辞書」の例】
【 + (たす)に翻訳する言葉 】
- 「あわせて」「みんなで」「あわせると」
- 「もらう」「ふえる」「くわえる」
【 - (ひく)に翻訳する言葉 】
- 「のこりは」「のこり」「ちがいは」
- 「あげる」「つかう」「どちらがなにこ多い(少ない)」
ポイントは、「なぜそうなるのか」という概念の理解を後回しにしてでも、まずは言葉と記号を1対1で機械的に対応させることです。ルールが明確であればあるほど、論理的思考が得意なASDのお子さんは安心して処理できるようになります。
今日からできる!「翻訳家」3つのステップ
実際の宿題やプリントで取り組む際は、次のステップで「翻訳作業」を進めます。
ステップ1:キーワードにマーカーを引く
問題文を読んだら、答えのヒントになるキーワード(「あわせて」「残りは」など)だけに蛍光ペンでラインを引かせます。
ステップ2:キーワードの上に記号(+や-)を書く
ラインを引いた言葉の上に、先ほどの「翻訳辞書」を使って「+」や「-」を直接書き込ませます。ここで文章が「記号」に変換されます。
ステップ3:数字と記号をつないで式を作る
あとは文章中の「数字」と、ステップ2で書き込んだ「記号」をそのまま並べるだけ。これで立式が完了します。
まとめ:行間を読ませず、ロジックでパズル化する
「文章題=場面を想像して解くもの」という固定観念を一度捨ててみましょう。
ASDのお子さんにとって、曖昧な日本語は難解な暗号のようなものです。しかし、「この言葉は『+』のマーク」「この言葉は『-』のマーク」というルール(アルゴリズム)さえ渡してあげれば、文章題は得意な「記号パズル」へと変わります。
ぜひご家庭で「今日は算数の翻訳家になってみよう!」と声をかけ、ゲーム感覚でキーワード探しと記号化を楽しんでみてくださいね。
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