通級指導を導入している高校
これまで高等学校においては原則として、特別支援学校高等部に入学しない限り、特別支援教育を受けることはできませんでした。
しかしながら、中学校で通級による指導を受ける生徒数は年々増加しており、高校でも通級指導を受けたいという潜在的需要はありました。
そこで2016 年 12 月に学校教育法施行規則及び文部科学省告示が改正され、2018年度から高校においても通級指導を受けることができるようになりました。
高校における通級指導の仕組み
基本的な仕組みは小中学校の通級指導教室と同様です。
・対象者は言語障害者、自閉症者、情緒障害者、弱視者、難聴者、学習障害者、注意欠陥多動性障害者またはその他障害のある者。
・通級指導は高等学校の教育課程に加えるか、もしくは選択教科・科目の一部に替えて実施する。(必履修教科・科目等とは代替できない)
・年間7単位を超えない範囲で単位認定することができる。
通級指導の内容
通級指導の内容は以下の以下の6区分 26 項目が設定されており、これらの内から生徒の状態や発達の特性などに応じて必要とする項目を選定し、指導していきます。
1 健康の保持
(1)生活のリズムや生活習慣の形成に関すること。
(2)病気の状態の理解と生活管理に関すること。
(3)身体各部の状態の理解と養護に関すること。
(4)健康状態の維持・改善に関すること。
2 心理的な安定
(1)情緒の安定に関すること。
(2)状況の理解と変化への対応に関すること。
(3)障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服する意欲に関すること。
3 人間関係の形成
(1)他者とのかかわりの基礎に関すること。
(2)他者の意図や感情の理解に関すること。
(3)自己の理解と行動の調整に関すること。
(4)集団への参加の基礎に関すること。
4 環境の把握
(1)保有する感覚の活用に関すること。
(2)感覚や認知の特性への対応に関すること。
(3)感覚の補助及び代行手段の活用に関すること。
(4)感覚を総合的に活用した周囲の状況の把握に関すること。
(5)認知や行動の手掛かりとなる概念の形成に関すること。
5 身体の動き
(1)姿勢と運動・動作の基本的技能に関すること。
(2)姿勢保持と運動・動作の補助的手段の活用に関すること。
(3)日常生活に必要な基本動作に関すること。
(4)身体の移動能力に関すること。
(5)作業に必要な動作と円滑な遂行に関すること。
6 コミュニケーション
(1)コミュニケーションの基礎的能力に関すること。
(2)言語の受容と表出に関すること。
(3)言語の形成と活用に関すること。
(4)コミュニケーション手段の選択と活用に関すること。
(5)状況に応じたコミュニケーションに関すること。
主な通級指導を導入している高校
先行スタートした、以下のモデル校を中心に、全国に拡大しています。
自治体名 | 学校名 |
北海道 | 北海道上士幌高等学校 |
北海道 | 北海道本別高等学校 |
北海道 | 北海道大樹高等学校 |
青森県 | 青森県立北斗高等学校 |
山形県 | 山形県立新庄北高等学校 |
茨城県 | 茨城県立茎崎高等学校 |
千葉県 | 千葉県立佐原高等学校 |
千葉県 | 千葉県立幕張総合高等学校 |
神奈川県 | 神奈川県立綾瀬西高等学校 |
神奈川県 | 神奈川県立釜利谷高等学校 |
長野県 | 長野県立箕輪進修高等学校 |
静岡県 | 静岡県立静岡中央高等学校 |
滋賀県 | 滋賀県立愛知高等学校 |
京都府 | 京都府立田辺高等学校 |
大阪府 | 大阪府立岬高等学校 |
兵庫県 | 兵庫県立西宮香風高等学校 |
島根県 | 島根県立邇摩高等学校 |
岡山県 | 岡山県立岡山御津高等学校 |
徳島県 | 徳島県立海部高等学校 |
佐賀県 | 佐賀県立太良高等学校 |
長崎県 | 長崎県立佐世保中央高等学校 |
新潟市 | 新潟市立明鏡高等学校 |
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