【中学受験】二次障害を防ぐためにできること

自己肯定感を守る具体的な行動

中学受験にはメリットがある一方で、LD(学習障害)、ADHD(注意欠如・多動症)、自閉症スペクトラムなど発達障害やグレーゾーン、ギフテッド(2E)の発達特性を持つお子さんにとって、二次障害（抑うつ、不安障害、不登校など）のリスクが高まります。

二次障害は、特性によって生じる「学びにくさ」や「生きづらさ」を理解されないまま、定型発達の枠組みに無理やり適応させようと努力した結果、自己肯定感が損なわれ、精神的に追い詰められることで発症します。

中学受験成功の前提として、二次障害の予防は最優先事項です。二次障害の最大の防御壁は、お子さんの自己肯定感です。親御さんには以下の行動が求められます。

「能力の問題」と理解し、責めない

宿題を忘れる、集中できない、計画通りに進まないといった行動の困難は、やる気や努力の問題ではなく、発達特性による「能力の問題」であると深く理解しましょう。

「指摘するのではなく、能力に合わせた支援（＝アコモデーション）をすべき」です。

プロセスと成長を具体的に承認する

結果（点数や順位）に一喜一憂するのではなく、努力の過程や昨日よりできるようになった小さな成長を具体的に言葉にして承認しましょう。

例えば、「計算ミスはあったけど、最後まで集中して問題を解ききれたのはすごいよ！」などと具体的に褒めてあげましょう。

失敗を「学びの機会」に変える

テストの失敗やケアレスミスを、「発達特性に合わせたアコモデーションを改善するための情報」として捉えましょう。

「このやり方は合わなかったね。次はこの方法でやってみよう」と前向きな姿勢で接することで、失敗への恐れを軽減します。

適切なアコモデーションによる負荷の軽減

無理な負荷をかけないこと、すなわち「適切なアコモデーション」は、二次障害の予防において物理的な防御壁となります。

例えば、WISC-Ⅳ、WISC-Ⅴなどの発達検査、もしくはAI発達チェック「トリセツ」で可視化された特性に基づき、完全オーダーメイドの個別指導計画（IEP）をリバランスなどの発達障害・ギフテッド専門塾で作成・実行します。

不得意な分野を克服する時間と得意な分野を伸ばす時間のバランスを、お子さんのキャパシティに合わせて調整することが重要です。

専門家によるメンタルサポート

二次障害のサイン（食欲不振、睡眠障害、強い不安、不登校など）を見逃さず、早期に専門家の介入させることも効果的です。

二次障害は、発達特性のあるお子さんが環境とのギャップに苦しんだ末の結果です。

愛情を持ってお子さんの特性を理解し、そして適切なアコモデーションで、お子さんの心を徹底的に守り抜きましょう。