奈良県の高校受験のシステム
選抜方法(一般)
奈良県の高校入試は各教科50分50点満点、5科目合計250点満点です。
選考は内申点と学力検査点の合計が高い人から合格者を決めますが、内申点と学力検査点のどちらを重視するかは高校ごとに定めます。(内申点または学力検査点に加重配点を行う高校もある)
募集人員の一部について、内申書に記載された生徒会活動、部活動、検定などの実績を点数化する「調査書の特別な取扱い」を実施する高校・学科(コース)もあります。
内申点の特徴
奈良県の内申点は中2から2年分がカウントされます。
中2は45点、中3は90点の135点満点で、内訳は以下の通りです。
中2:9教科×5段階評定=45点
中3:9教科×5段階評定×2=90点
奈良県の特別支援環境
特別支援環境の特徴
奈良県は、小学校・中学校ともに支援学級充実度は全国平均より良いですが、通級充実度は全国平均を下回る地域です。
つまり、小学校・中学校を通して、主に通級を利用するグレーゾーンの支援が手薄になるということです。
特別支援環境の注意点
グレーゾーンでも、支援を受けるために支援学級に移籍せざるを得ないケースが出てくる可能性があります。
支援学級に移籍すると内申点の面で不利になり高校受験の選択肢に影響が出るため注意が必要です。
奈良県の高校入試の問題傾向
英語の問題傾向
大問4問中3問が長文読解
奈良県の英語は大問4問中3問、つまりリスニング問題以外は長文読解という特徴があります。
問題数が多く、長さも約600語の長文が出ますから、素早く正確に解く練習をしていきましょう。
出題形式は毎年ほぼ同じなので、過去問演習で解き方の形式に慣れることが重要です。
与えられたテーマについて書く英作文が出題
奈良県では与えられたテーマについて20語程度で書く英作文がほぼ毎年出題されており、今後も出される可能性が高いです。
英作文は複雑に考えがちですが、自分の知っている表現で、シンプルに答えることが鍵です。
数学の問題傾向
小問集合問題の配点が約4割を占める
奈良県の数学は、小問集合問題の配点が約4割を占めるという特徴があります。
小問集合問題は、数と式を中心に、関数、図形、データの活用などの全分野から基本問題が出ます。 基本レベル中心の問題演習を徹底し、得点源にしましょう。
記述式の図形証明問題が出題
奈良県の数学は、記述式の図形の証明問題が毎年出題されます。
やや難易度が高く、色々な種類の証明問題が出ているので、証明問題については普段から記述式で解くように心がけ、また様々な種類の問題に触れるようにしましょう。
その他の問題についても普段から記述式で解くように心がけ、途中式をまとめる技術を身につけましょう。
国語の問題傾向
約2000字の説明文が出題
奈良県の国語では、約2000字の説明文が出題されるという特徴があります。
2000字であれば4分程度で文章全体を読み終える読解のスピードが必要となります。
普段から文章の要約をする練習を取り入れ、素早く正確に内容を把握できる読解力を身につけることが必要です。
テーマや条件に沿って意見を書く作文が出題
奈良県の国語では、テーマや条件に沿って意見を書く作文が出題されます。
字数は150字程度ですが、記述の力がないと苦戦します。
記述力の養成には時間がかかりますので、普段から文章の要約や自分の主張を整理して書くトレーニングを行いましょう。
※理科・社会は割愛します。
発達障害・グレーゾーン・ギフテッドの高校受験対策
少なくとも中2までに学習習慣を確立
内申点が中2からカウントされる奈良県では中2までに学習習慣を確立すればいいという時間的メリットがあります。
その一方、中2までに学習習慣が確立できなければ、取り戻すのが難しいというリスクもあります。
課題を計画的にこなす実行機能が弱いADHD傾向のお子さんや、課題をこなす作業自体に弱点があるLD傾向があるお子さんには専門的なノウハウをもって「定期テスト対策」と「提出物管理」を行う必要があります。
言語・非言語の表現力が求められる
奈良県の高校入試で出題される英作文や作文では言語の表現力、図形の証明問題では非言語の表現力が求められます。
推論が苦手なLD傾向があるお子さんには長期的な支援と訓練が必要です。
読解・解答のスピードと正確性が求められる
奈良県の高校入試で出題される英語と国語の長文読解、数学の配点の約4割を占める小問集合問題では読解・解答のスピードと正確性が求められます。
スピードや正確性に弱点があるLD傾向のお子さんや、集中力にムラがあるADHD傾向のお子さんには専門的な支援と訓練が必要です。
「奈良県統一模試」「奈良Vもし」の対策と復習
奈良県の高校受験において、主要な模擬試験である「奈良県統一模試」「奈良Vもし」の対策と復習は必須です。
模試は志望校への合格率や偏差値、順位を知るだけではなく、入試のテスト形式に慣れることができます。
また、弱点が把握できるので、良質な復習の材料となります。