過去問の「適切な量」と「質の高い活用」
中学受験における過去問演習は入試対策の要であり、「5年で足りるのか」「10年はやらないといけないのか」など様々な議論があります。
結論から申し上げると「何年分やるべきか」という問いに、一律の答えはありません。
特にLD(学習障害)、ADHD(注意欠如・多動症)、自閉症スペクトラムなど発達障害やグレーゾーン、ギフテッド(2E)の発達特性を持つお子さんの場合、「量」より「質」です。
最低限の量(傾向把握)
まずは直近の5年分を目安に、出題傾向、難易度、時間配分などを把握します。
これにより、お子さんの得意・不得意と入試問題の相性を分析します。
質を高める特性との相性分析
重要なのは特性との相性です。
この問題傾向と発達特性であれば、「ケアレスミスに注意しないといけない」「読解の困難が生じる可能性がある」「時間切れが起きやすい」などを明確にします。
反復演習の対象は「苦手な大問」
全問題を何周もするよりも、苦手な形式や分野の大問だけを集中して反復演習します。
これにより、学習の効率を劇的に高めることができます。
ただし反復する大門は頻出問題に限ります。
演習量の上限
過去問演習は心理的負担も大きいため、過去5年分を上限にそれ以上は「類似問題での応用力養成」に時間を割く方が効果的です。
疲弊して学習意欲を失わないよう、塾の先生や保護者によるモチベーション維持のサポートも重要です。
過去問を単なる問題集ではなく、「本番の戦略を練るためのデータ」として活用しましょう。