無視は好ましくない行動を減らすための技術
今回も発達凸凹(発達障害・グレーゾーン)・ギフテッドのお子さんと親御さんとの適切な関わり方を学ぶ「ペアレントトレーニング」を学んでいきます。
前回、好ましい行動を増やすために「肯定的な注目」を与える、ペアレントトレーニングを学びました。
今回は「好ましくない行動」を減らすために「無視」をすることについて学びます。
無視をする技術を磨くことによって、ソーシャルスキルトレーニングを効果的にし、不登校や登校渋りリスクを下げましょう。
無視は否定的な注目ではない
「無視」は3種類に分けた行動の中で「好ましくない行動」に対して与え、好ましくない行動を減らすための技術です。
ここで注意すべきなのは、無視は否定的な注目ではないということです。
むしろ、好ましくない行動に対して否定的な行動を与えないための技術であり、うまく使うべきです。
行動を「無視」する
- 否定的な注目を我慢する
お子さんが「好ましくない行動」を行ったときに、注意する、叱る、責める、怒鳴る、落胆する、顔をしかめるなど、ついつい「否定的な注目」をしてしまいます。
この「否定的な注目」を我慢し、その代わりに「無視」をしましょう。
- 存在を無視するのではなく、「行動を無視」する
「無視」するのはお子さんが行っている「好ましくない行動」です。
決してお子さん自身を無視するのではありません。
お子さん自身の存在を無視するのは、「ネグレクト」となり、虐待です。
存在を無視:お子さんが何をしても無関心
行動を無視:好ましくない行動は無視し、好ましい行動に変わったら褒める
行動が変わるのを待つ
- 好ましくない行動が止まる、もしくは好ましい行動に変わったら、すかさず褒める
「無視」することが目的ではなく、最終的に褒めることが目的です。
「好ましくない行動」を見て見ぬふりをしながら、行動に変化がないか観察し、褒めるタイミングを待ちましょう。
徹底して「無視」する
- 「無視」をすると一時的に行動がエスカレート
「無視」をすると注目されたいがために、だだをこねる、騒ぐなど一時的に行動がエスカレートする可能性があります。
そうなることを想定しておきましょう。
- 中途半端な「無視」は好ましくない行動を強化する
行動がエスカレートすることによって、「無視」をやめてしまうのは最もよくないことです。
なぜなら、だだをこねれば注目してくれるという経験をしてしまい、だだをこねるという別の好ましくない行動が強化されてしまうからです。
「無視」をするときは、お子さんの行動が変わるまで徹底して「無視」しましょう。
まとめ
お子さんの発達凸凹に合わせてソーシャルスキルトレーニングだけでなく、ペアレントトレーニングも併せて学ぶことも重要です。
このブログでは基本的な関わり方や考え方を紹介していきます。
次回はペアレントトレーニングの一つである「ペナルティは原則使わない」を取り上げます。