大阪府の高校受験のシステム
選抜方法(一般)
大阪府の高校入試は各教科90点満点、5科目合計450点満点です。
国語・数学・英語の学力検査問題は難易度によってA問題(基礎)、B問題(標準)、C問題(発展)と3種類作成され、どの問題を実施するかは各高校が選択します。
選抜はおもに学力検査の成績と内申点が基本となります。
学力検査点:調査書の評定(内申点)の比率を、7:3、6:4、5:5、4:6、3:7などから各高校が定めた倍率のタイプを用いて総合点を算出し、募集定員の90%は総合点の高い順に合格者を決定します。
※内申書の「活動/行動の記録」は合格ライン近くのボーダーゾーンの合否判定に用います。
内申点の特徴
大阪府の内申点は中1から3年分がカウントされます。
中1・中2は90点、中3は270点の450点満点で、内訳は以下の通りです。
中1:5教科×9段階評定×2=90点
中2:5教科×9段階評定×2=90点
中3:5教科×9段階評定×6=270点
大阪府の特別支援環境
特別支援環境の特徴
大阪府は、小学校・中学校ともに支援学級充実度は全国平均より良いですが、通級充実度は全国平均を下回る地域です。
つまり、小学校・中学校を通して、主に通級を利用するグレーゾーンの支援が手薄になるということです。
特別支援環境の注意点
グレーゾーンでも、支援を受けるために支援学級に移籍せざるを得ないケースが出てくる可能性があります。
支援学級に移籍すると内申点の面で不利になり高校受験の選択肢に影響が出るため注意が必要です。
大阪府の高校入試の問題傾向
英語の問題傾向
全体問題数の6割以上が長文読解
大阪府の英語は全体問題数の6割以上が長文読解という特徴があります。
A問題・B問題では大問3問中2問、C問題では大問7問中5問が長文なので、素早く正確に解く練習をしていきましょう。
出題形式は毎年ほぼ同じなので、過去問演習で解き方の形式に慣れることが重要です。
与えられたテーマや条件に従って書く英作文が出題
大阪府では与えられたテーマや条件に従って書く英作文がほぼ毎年出題されており、今後も出される可能性が高いです。
A問題では日本語で与えられた状況に合う文を書く英作文、B問題は対話が成り立つように英文を書く問題、C問題では英文で与えられたテーマや条件に従って書く問題が出題されました。
英作文は複雑に考えがちですが、自分の知っている表現で、シンプルに答えることが鍵です。
数学の問題傾向
小問集合問題の配点が約4割以上を占める
大阪府の数学は、小問集合問題の配点が約4割以上を占めるという特徴があります。
A問題では約6割、B問題では約4割、C問題では約5割が小問集合問題となり、全分野から基本問題が出ます。
基本レベル中心の問題演習を徹底し、得点源にしましょう。
記述式の図形証明問題や途中式を書かせる問題が出題
大阪府の数学では記述式の図形の証明問題や途中式を書かせる問題が毎年出題されます。
さらにB問題やC問題では証明問題以外でも途中式を書かせる問題が出題されます。
証明問題はもちろんのこと、その他の問題についても普段から記述式で解くように心がけ、途中式をまとめる技術を身につけましょう。
国語の問題傾向
説明文・随筆が2題出題
大阪府の国語では、A問題・B問題・C問題ともに説明文・随筆が2題出題されるという特徴があります。
文章全体を読み終える読解のスピードと論理的な読解能力が必要となります。
普段から文章の要約をする練習を取り入れ、素早く正確に内容を把握できる読解力を身につけることが必要です。
テーマや条件に沿って意見を書く作文が出題
大阪府の国語ではA問題・B問題・C問題ともにテーマや条件に沿って意見を書く作文が出題されます。
A問題は180字以内、B問題は260字以内、C問題は300字以内となり、記述の力がないと苦戦します。
記述力の養成には時間がかかりますので、普段から文章の要約や自分の主張を整理して書くトレーニングを行いましょう。
※理科・社会は割愛します。
発達障害・グレーゾーン・ギフテッドの高校受験対策
中学入学前に家庭学習の習慣化が必須
内申点が中1からカウントされる大阪府の高校入試では小学校のうちから家庭学習の習慣化が必須です。
課題を計画的にこなす実行機能が弱いADHD傾向のお子さんや、課題をこなす作業自体に弱点があるLD傾向があるお子さんには専門的なノウハウをもって「定期テスト対策」と「提出物管理」を行う必要があります。
言語・非言語の表現力が求められる
大阪府の高校入試で出題される英作文や作文では言語の表現力、図形の証明問題では非言語の表現力が求められます。
推論が苦手なLD傾向があるお子さんには長期的な支援と訓練が必要です。
読解・解答のスピードと正確性が求められる
大阪府の高校入試で出題される英語と国語の長文読解、数学の配点の4割以上を占める小問集合問題では読解・解答のスピードと正確性が求められます。
スピードや正確性に弱点があるLD傾向のお子さんや、集中力にムラがあるADHD傾向のお子さんには専門的な支援と訓練が必要です。
「五ツ木模試」「大阪公立Vもし」の対策と復習
大阪府の高校受験において、主要な模擬試験である「五ツ木模試」「大阪公立Vもし」の対策と復習は必須です。
模試は志望校への合格率や偏差値、順位を知るだけではなく、入試のテスト形式に慣れることができます。
また、弱点が把握できるので、良質な復習の材料となります。