富山県の高校受験のシステム
選抜方法(一般)
富山県の高校入試は各教科50分40点満点、5科目合計200点満点です。
選考は、学力検査点と内申点を基本的に同等に扱い、総合得点で合否を決定します。
ただし、どちらか一方の成績が募集定員の上位10%以内なら、もう一方の成績にかかわらず合格になることがあります。
また高校・学科・コースによっては、特定教科の配点や内申点を高くする傾斜配点や、面接や実技検査を行う場合もあります。
内申点の特徴
富山県の内申点は中2から2年分がカウントされます。
中2は45点、中3は105点の150点満点で、内訳は以下の通りです。
中2:9教科×5段階評定=45点
中3:9教科×5段階評定×2+特別活動15点=105点
※「特別活動」は学習の記録以外の記載事項の評価(おもに中三の活動を評定)
富山県の特別支援環境
特別支援環境の特徴
富山県は、小学校・中学校ともに通級充実度が全国平均より良く、支援学級充実度は全国平均を下回る地域です。
つまりグレーゾーンのお子さんにとっては手厚い一方、発達障害のお子さんにとっては特別支援環境が悪い地域といえます。
特別支援環境の注意点
小学校・中学校ともに発達障害のお子さんにとっては特別支援環境が悪いため、他の地域と比べると保護者への負担が大きくなります。
富山県の高校入試の問題傾向
英語の問題傾向
全体問題数の約4割が長文読解
富山県の英語は全体問題数の約4割が長文読解という特徴があります。
約400語の長文も出ますから、素早く正確に解く練習をしていきましょう。
出題形式は毎年ほぼ同じなので、過去問演習で解き方の形式に慣れることが重要です。
与えられた条件に従って25語以上で書く英作文が出題
富山県では与えられた条件に従って書く英作文が3年間連続で出題されており、今後も出される可能性が高いです。
英作文は複雑に考えがちですが、自分の知っている表現で、シンプルに答えることが鍵です。
数学の問題傾向
小問集合問題が約3割と少ない
富山県の数学は他の地域では得点源になる小問集合問題の設問数が約3割と少ないという特徴があります。
そうはいってもここでの失点は痛いので、基本を一通り身につけましょう。
その上で標準・応用レベルの問題演習に数多く取り組むことが必要です。
図形の証明問題や複雑な関数など様々な応用問題が出題
小問集合問題の比重が小さいということは、相対的に標準・応用問題の比重が大きいということです。
富山県の数学では記述式の図形の証明問題や図形や点が動く関数の問題など様々な応用問題が出題されます。
普段から様々な標準・応用問題へ触れるようにしましょう。
国語の問題傾向
知識・物語文・説明文・古文など幅広く出題
富山県の国語では、知識・物語文・説明文・古文など幅広く問題が満遍なく出題されるという特徴があります。
全ジャンルを網羅し、基本レベルを中心とした問題演習を徹底し、分野による弱点を作らないようにしましょう。
テーマや条件に沿って意見を書く作文が出題
富山県の国語では、テーマや条件に沿って意見を書く作文が出題されます。
字数は220字ですが、記述の力がないと苦戦します。
記述力の養成には時間がかかりますので、普段から文章の要約や自分の主張を整理して書くトレーニングを行いましょう。
※理科・社会は割愛します。
発達障害・グレーゾーン・ギフテッドの高校受験対策
少なくとも中2までに学習習慣を確立
内申点が中2からカウントされる富山県では中2までに学習習慣を確立すればいいという時間的メリットがあります。
その一方、中2までに学習習慣が確立できなければ、取り戻すのが難しいというリスクもあります。(富山県は学力検査点と内申点が同等なので合否にとって死活問題)
課題を計画的にこなす実行機能が弱いADHD傾向のお子さんや、課題をこなす作業自体に弱点があるLD傾向があるお子さんには専門的なノウハウをもって「定期テスト対策」と「提出物管理」を行う必要があります。
言語・非言語の表現力が求められる
富山県の高校入試で出題される英作文や作文では言語の表現力、図形の証明問題では非言語の表現力が求められます。
推論が苦手なLD傾向があるお子さんには長期的な支援と訓練が必要です。
複雑な内容を整理する集中力が求められる
富山県の高校入試では英語や国語の長文読解問題、数学の記述式の図形証明問題や点が動く関数など複雑な問題が出題されます。
推論が苦手なLD傾向があるお子さんや、複雑な内容を整理する集中力が欠けるADHD傾向のお子さんには専門的な支援と訓練が必要です。
「富山全県模試」「富山育英模試」の対策と復習
富山県の高校受験において、主要な模擬試験である「富山全県模試」「富山育英模試」の対策と復習は必須です。
模試は志望校への合格率や偏差値、順位を知るだけではなく、入試のテスト形式に慣れることができます。
また、弱点が把握できるので、良質な復習の材料となります。