放課後デイで発達支援?

放課後等デイサービスとは

「放課後デイ」「放デイ」などと言われる「放課後等デイサービス」は、障害のある児童が放課後や学校休業日に通う、療育機能・居場所機能を備えた福祉サービスです。

簡単にいうと、「障害のあるお子さんのための学童クラブ」です。

年々利用者が増えており、厚生労働省の調査によると、2019年9月時点での利用者数は約22万8000人に達しています。

発達障害が顕在化しやすくなったことに加え、自己負担が1割という費用的メリット、さらに療育手帳が不要というハードルの低さも相まって、ニーズが増していると考えられます。

児童発達支援管理責任者の設置義務

放課後デイと学童クラブとの大きな違いは、「児童発達支援管理責任者(児発管)」の存在です。

この児発管が利用者の個別支援計画を作成し、この計画に基づいて保育士や児童指導員が支援するように管理して療育を主導する役割を持ちます。

児発管には障害児童の相談支援や直接支援の実務経験が必要で、さらに都道府県が実施する研修を受講することで児発管になることができます。

放課後デイには児発管を最低1名以上設置する必要があり、それによって普通の学童とは違う発達支援を行うことができます。

学習支援の実態

ほとんどの放課後デイでは、ICT教材を導入していたり、学校の宿題をサポートするなどの学習支援体制があります。

この点に期待し、「塾代わりに放課後デイに行かせている」という親御さんが少なからずいらっしゃいます。

結論からいうと、放課後デイは塾代わりにはならないので、発達支援塾を検討すべきです。

なぜなら、放課後デイの先生は原則として児童発達支援管理責任者、保育士、児童指導員であり、学習指導の専門家はいないからです。

ICT教材や宿題をやることを生徒に促し、必要に応じて質問に答え、生徒の学習を見守るという学習支援でしかなく、目標を立て、カリキュラムを組み、能動的に学習指導する体制は望めません。

まとめ

あくまで学童クラブである放課後デイに学習面での過度な期待は禁物です。

勘違いしてもらいたくないのは、放課後デイがダメで発達支援塾が良いということを言いたいのではありません。

放課後デイには発達障害児童の居場所というコミュニティ機能と、そのコミュニティにおける集団参加やコミュニケーションなど社会的な技能を練習する療育の場という役割があります。

役割にあった正しい選択をすることがお子さんの発達を促すことに繋がるということを理解してください。

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