東京都の高校受験のシステム
選抜方法(一般)
東京都の高校入試は各教科50分100点満点、5科目合計500点満点です。
主に5教科の学力検査の得点と内申点、高校によっては面接や作文または小論文、実技検査なども実施し、それらも点数化して総合成績とします。
学力検査点と内申点は計1000点満点に換算し、学力検査点:内申点の比率は全日制高校では原則として7:3(芸術および体育に関する学科は6:4)と、学力検査点を重視します。
学力検査の一部の教科に比重をかける傾斜配点を実施する高校・学科・コースもあります。
一部の高校では、国語、数学、英語の学力検査問題をそれぞれの学校が作成した独自問題(自校作成問題)が実施されます。(2022年度は10校が自校作成問題を実施)
内申点の特徴
東京都の内申点は中3のみカウント、5教科×5段階評定=25点、実技4教科×5段階評定×2=40点、合計65点満点です。
ただし、芸術および体育に関する学科の調査書の内申点は算出方法が異なり、3教科×5段階評定=15点、それ以外の6教科×5段階評定×2=60点、合計75点満点です。
東京都の特別支援環境
特別支援環境の特徴
東京都は、小学校・中学校ともに通級充実度は全国平均より良いですが、支援学級充実度は全国平均を下回る地域です。
つまりグレーゾーンのお子さんには手厚い一方、発達障害のお子さんにとっては特別支援環境が悪い地域といえます。
特別支援環境の注意点
発達障害のお子さんにとっては特別支援環境が悪いため、他の地域と比べると保護者への負担が大きくなります。
また、支援学級を利用したくとも通級を利用せざるを得ないケースが出てくる可能性があります。
東京都の高校入試の問題傾向
英語の問題傾向
大問4問中3問が長文読解
東京都の英語は大問4問中3問が長文読解という特徴があります。
問題数が多く、長さも約700語の長文が出ますから、素早く正確に解く練習をしていきましょう。
出題形式は毎年ほぼ同じなので、過去問演習で解き方の形式に慣れることが重要です。
メールの返事を3文で書く英作文が出題
東京都の英語ではメールの返事を3文で書く英作文が3年連続で出題され、今後も出される可能性が高いです。(配点も12点と高い)
英作文は複雑に考えがちですが、自分の知っている表現で、シンプルに答えることが鍵です。
数学の問題傾向
小問集合問題の配点が約5割を占める
東京都の数学は、小問集合問題の配点が約5割を占めるという特徴があります。
小問集合問題は、数と式を中心に、関数・図形・データの活用などの全分野から基本問題が出ます。
基本レベル中心の問題演習を徹底し、得点源にしましょう。
記述式の図形証明問題が2題出題
東京都の数学は、記述式の図形の証明問題が毎年2題出題されます。
やや難易度が高く、色々な種類の証明問題が出ているので、証明問題については普段から記述式で解くように心がけ、また様々な種類の問題に触れるようにしましょう。
国語の問題傾向
約2500字の説明文が出題
東京都の国語では約2500字の説明文が出題されるという特徴があります。
2500字であれば5分程度で文章全体を読み終える読解のスピードが必要となります。
普段から文章の要約をする練習を取り入れ、素早く正確に内容を把握できる読解力を身につけることが必要です。
2つ以上の文章を読んで答える問題が出題
東京都の国語では2つ以上の文章を読んで答えるやや複雑な読解問題が出題されます。
一般的な問題集では触れることが少ない種類の問題ですので、まずは類似している論説文を中心にやり込んで論理的な思考力を身につけましょう。
その上で過去問に取り組み、解き方のコツを身につけましょう。
※理科・社会は割愛します。
発達障害・グレーゾーン・ギフテッドの高校受験対策
内申点は中3のみの1年勝負
内申点は中3のみの東京都では、中3までに学習習慣を確立すればいいという時間的メリットがあります。
その一方、中3までに学習習慣が確立できなければ取り返しがつかないという大きなリスクもあります。
課題を計画的にこなす実行機能が弱いADHD傾向のお子さんや、課題をこなす作業自体に弱点があるLD傾向があるお子さんには専門的なノウハウをもって「定期テスト対策」と「提出物管理」を行う必要があります。
複雑な内容を整理する集中力が求められる
東京都の高校入試では国語の2つ以上の文章を読んで答える問題、記述式の図形証明問題や途中式を書かせる問題など複雑な問題が出題されます。
推論が苦手なLD傾向があるお子さんや、複雑な内容を整理する集中力が欠けるADHD傾向のお子さんには専門的な支援と訓練が必要です。
読解・解答のスピードと正確性が求められる
東京都の高校入試で出題される英語と国語の長文読解、数学の配点の半分を占める小問集合問題では読解・解答のスピードと正確性が求められます。(特に国語の長文は約2500字でかなりの分量)
スピードや正確性に弱点があるLD傾向のお子さんや、集中力にムラがあるADHD傾向のお子さんには専門的な支援と訓練が必要です。
「Vもぎ」「Wもぎ」の対策と復習
東京都の高校受験において、主要な模擬試験である「Vもぎ」「Wもぎ」の対策と復習は必須です。
模試は志望校への合格率や偏差値、順位を知るだけではなく、入試のテスト形式に慣れることができます。
また、弱点が把握できるので、良質な復習の材料となります。