神奈川県の高校受験のシステム
選抜方法(一般)
神奈川県の高校入試は各教科50分100点満点、5科目合計500点満点です。
第1次選考では募集人員の90%まで、「調査書の学習の記録の評定」「学力検査の得点」「面接の結果」の各選考資料を定められた数値算出の方法をもとに選考を行います。(特色検査を実施する場合はその得点も加算)
各選抜資料の比率は高校によって異なり、2022年度入試では、内申点:学力検査の比率を4:4の同等にみる高校・学科・コースが7割以上を占めています。(一部の高校・学科等では特定の教科の得点を高くする重点化を実施)
第2次選考では、調査書の学習の記録の評定を用いずに、実施した検査の結果をもとに募集人員まで選考します。
内申点の特徴
神奈川県の内申点は中2から2年分がカウントされます。
中2は45点、中3は90点の135点満点で、内訳は以下の通りです。
中2:9教科×5段階評定=45点
中3:9教科×5段階評定×2=90点
神奈川県の特別支援環境
特別支援環境の特徴
神奈川県は、小学校・中学校ともに通級充実度、支援学級充実度の両方が全国平均を下回る地域です。
発達障害・グレーゾーンともに特別支援環境が著しく悪い地域といえます。
特別支援環境の注意点
発達障害・グレーゾーンともに特別支援環境が著しく悪いため、他の地域と比べると保護者への負担が大きくなります。
神奈川県の高校入試の問題傾向
英語の問題傾向
大問8問中3問が長文読解
神奈川県の英語は大問8問中3問が長文読解という特徴があります。
ほとんどが選択式の問題ですが、問題数が多く、約560語と700語を超える長文を読解する大問が2つ出題されるので、素早く正確に解く練習をしていきましょう。
出題形式は毎年ほぼ同じなので、過去問演習で解き方の形式に慣れることが重要です。
絵のストーリーを説明して1文書く英作文が出題
神奈川県の英語では絵のストーリーを説明して1文書く英作文が3年連続で出題され、今後も出される可能性が高いです。
語数は5語以上とあまり多くありませんので、自分の知っている表現で、シンプルに答えることが鍵です。
数学の問題傾向
大問1・2の配点が約4割
神奈川県の数学は、大問1・2の配点が約4割という特徴があります。
計算を中心に、数と式、方程式、連立方程式、二次方程式、図形などの基本問題が出ます。 基本レベル中心の問題演習を徹底し、得点源にしましょう。
選択式で難易度が低いので、ここでの取りこぼしは致命傷になります。
図形の証明問題が出題
神奈川県の数学では、図形証明問題が毎年出題されますが、選択式なので、一般的な証明問題に比べると難易度は高くありません。
ただし、完全記述式として出る可能性も否定でいないので、証明問題については普段から記述式で解くように心がけ、また様々な種類の問題に触れるようにしましょう。
国語の問題傾向
約3500字の小説が出題
神奈川県の国語では約3500字の小説が出題されるという特徴があります。
ほとんどが選択問題ですが、3500字ほどの分量であれば7分程度で文章全体を読み終える読解のスピードが必要となります。
普段から文章の要約をする練習を取り入れ、素早く正確に内容を把握できる読解力を身につけることが必要です。
資料や会話をもとに意見を書く作文が出題
神奈川県の国語では、資料や会話をもとに意見を書く作文が出題されます。
字数は40字程度ですが、配点が6点あるので、落とせません。
記述力の養成には時間がかかりますので、普段から文章の要約や自分の主張を整理して書くトレーニングを行いましょう。
※理科・社会は割愛します。
発達障害・グレーゾーン・ギフテッドの高校受験対策
少なくとも中2までに学習習慣を確立
内申点が中2からカウントされる神奈川県では中2までに学習習慣を確立すればいいという時間的メリットがあります。
その一方、中2までに学習習慣が確立できなければ、取り戻すのが難しいというリスクもあります。
また、神奈川県は入試問題の難易度があまり高くないので、相対的に内申点の重要度が高くなります。
課題を計画的にこなす実行機能が弱いADHD傾向のお子さんや、課題をこなす作業自体に弱点があるLD傾向があるお子さんには専門的なノウハウをもって「定期テスト対策」と「提出物管理」を行う必要があります。
ムラのない学力が求められる
神奈川県の高校入試はほとんどが選択式の問題であり、難易度も高くないため、弱点分野があると非常に不利になります。
推論が苦手なLD傾向があるお子さんや、集中力にムラがあるADHD傾向のお子さんには専門的な支援と訓練が必要です。
読解・解答のスピードと正確性が求められる
神奈川県の高校入試で出題される英語と国語の長文読解、数学の配点の約4割を占める小問集合問題では読解・解答のスピードと正確性が求められます。(特に国語の長文は約3500字でかなりの分量)
スピードや正確性に弱点があるLD傾向のお子さんや、集中力にムラがあるADHD傾向のお子さんには専門的な支援と訓練が必要です。
「Wもぎ」「神奈川全県模試」の対策と復習
神奈川県の高校受験において、主要な模擬試験である「Wもぎ」「神奈川全県模試」の対策と復習は必須です。
模試は志望校への合格率や偏差値、順位を知るだけではなく、入試のテスト形式に慣れることができます。
また、弱点が把握できるので、良質な復習の材料となります。