高知県の高校受験のシステム
選抜方法(一般)
高知県の高校入試は、各教科50点満点、5科目合計250点満点です。
学力検査と内申点をほぼ同等に扱い、志願理由書、面接、実技検査(一部の高校で実施)の結果などを総合して判定します。(高校・学科によって、傾斜配点を行う場合があり。)
また、各高校が事前に学校の特色および「志願してほしい生徒像」を公表するので、これを参考に出願時に提出する志願理由書を記入します。
内申点の特徴
高知県の内申点は中1から3年分がカウントされます。
中1・中2は65点、中3は130点の260点満点で、内訳は以下の通りです。
中1:5教科×5段階評定+4教科×5段階評定×2=65点
中2:5教科×5段階評定+4教科×5段階評定×2=65点
中3:5教科×10段階評定+4教科×10段階評定×2=130点
※調査書の特定の教科に傾斜配点を行う高校・学科もある。
高知県の特別支援環境
特別支援環境の特徴
高知県は、小学校・中学校ともに支援学級充実度は全国平均より良いですが、通級充実度は全国平均を下回る地域です。
つまり、小学校・中学校を通して、主に通級を利用するグレーゾーンの支援が手薄になるということです。
特別支援環境の注意点
グレーゾーンでも、支援を受けるために支援学級に移籍せざるを得ないケースが出てくる可能性があります。
支援学級に移籍すると内申点の面で不利になり高校受験の選択肢に影響が出るため注意が必要です。
高知県の高校入試の問題傾向
英語の問題傾向
リスニング問題が配点の約4分の1を占める
高知県の英語はリスニング問題が配点の約4分の1を占めるという特徴があります。
さらに単純な選択問題だけでなく、英文を聞いて自分の考えを一文で答える問題も出るので注意が必要です。
与えられたテーマについて書く英作文が出題
高知県では与えられたテーマについて25語以上で書く英作文が3年連続で出題されており、今後も出される可能性が高いです。
英作文は複雑に考えがちですが、自分の知っている表現で、シンプルに答えることが鍵です。
数学の問題傾向
小問集合問題の配点が約4割を占める
高知県の数学は、小問集合問題の配点が約4割を占めるという特徴があります。
小問集合問題は、数と式を中心に、関数、図形、確率などの全分野から基本問題が出ます。
基本レベル中心の問題演習を徹底し、得点源にしましょう。
記述式の図形証明問題や途中式を書かせる問題が出題
高知県の数学では記述式の図形の証明問題や途中式を書かせる問題が毎年出題されます。
証明問題はもちろんのこと、その他の問題についても普段から記述式で解くように心がけ、途中式をまとめる技術を身につけましょう。
国語の問題傾向
大問1で語句や文法、知識、読解などの基本問題が出題
高知県の国語では、大問1で語句や文法、知識、読解などの基本問題が出題されるという特徴があります。
配点も約4割を占めるため、全ジャンルを網羅し、基本レベルを中心とした問題演習を徹底し、分野による弱点を作らないようにしましょう。
テーマや条件に沿って意見を書く作文が出題
高知県の国語では、テーマや条件に沿って意見を書く作文が出題されます。
字数は100字程度ですが、記述の力がないと苦戦します。
記述力の養成には時間がかかりますので、普段から文章の要約や自分の主張を整理して書くトレーニングを行いましょう。
※理科・社会は割愛します。
発達障害・グレーゾーン・ギフテッドの高校受験対策
中学入学前に家庭学習の習慣化が必須
内申点が中1からカウントされる高知県の高校入試では小学校のうちから家庭学習の習慣化が必須です。
課題を計画的にこなす実行機能が弱いADHD傾向のお子さんや、課題をこなす作業自体に弱点があるLD傾向があるお子さんには専門的なノウハウをもって「定期テスト対策」と「提出物管理」を行う必要があります。
言語・非言語の表現力が求められる
高知県の高校入試で出題される英作文や作文では言語の表現力、図形の証明問題では非言語の表現力が求められます。
推論が苦手なLD傾向があるお子さんには長期的な支援と訓練が必要です。
ムラのない学力が求められる
高知県の高校入試は、数学の小問集合問題や国語の大問1の基本問題など基本が重視されるため、弱点分野があると非常に不利になります。
推論が苦手なLD傾向があるお子さんや、集中力にムラがあるADHD傾向のお子さんには専門的な支援と訓練が必要です。
「高知県統一模試」の対策と復習
高知県の高校受験において、主要な模擬試験である「高知県統一模試」の対策と復習は必須です。
模試は志望校への合格率や偏差値、順位を知るだけではなく、入試のテスト形式に慣れることができます。
また、弱点が把握できるので、良質な復習の材料となります。